米国マイニング企業マラソン、新たに2億4,900万ドル相当のビットコインを購入

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米国の大手ビットコインマイニング企業であるマラソン・デジタル・ホールディングス(Marathon Digital Holdings)が、新たに2億4,900万ドル相当のビットコインを購入したことが明らかになりました。この大規模な購入は、同社が3億ドルの転換社債を発行して調達した資金の一部を使用して行われています。

この動きは、暗号資産(仮想通貨)市場の潜在的な成長への期待を反映しています。過去には仮想通貨 1000倍になった銘柄の例もあり、多くの投資家がこのような爆発的な成長の可能性に魅了されてきました。しかし、マラソン・デジタルの戦略においては、ビットコインの長期的な価値に焦点を当てているようです。

この発表は8月14日(水)、同社のCEOであるフレッド・ティール(Fred Thiel)氏がX(旧Twitter)を通じて行いました。ティール氏は、この購入がホドル戦略、つまりビットコインを長期保有することによるマラソンの成長戦略の一環であると述べ、ビットコインの将来的な価値上昇に対する強い期待を示しています。

マラソン・デジタル・ホールディングスは2010年に設立された企業ですが、当初は特許取得と知的財産権のライセンス供与に焦点を当てていましたが、その後ビットコインマイニング事業に本格参入。すでにテキサス州、モンタナ州、ネブラスカ州などに大規模なマイニング施設を所有しており、再生可能エネルギーの活用にも積極的に取り組んでいます。また、同社の事業モデルは、高性能のマイニング機器を大量に導入し、効率的なマイニング操業を行うことで、ビットコインを獲得することにあります。

このような北米最大のビットコインマイニング企業の1つが実施した大規模な購入により、同社のビットコイン保有量は25,000BTCに到達。企業が保有するビットコインとしては、マイクロストラテジー(MicroStrategy)に次ぐ世界第2位の規模となっています。なお、今回の購入では約4,144ビットコインを平均価格約59,500ドルで購入したと公表されています。

また、この購入資金は2031年9月満期の転換社債の発行によって調達されました。この社債は年利2.125%で、現金やマラソン・デジタルの株式、あるいはその両方に転換可能です。同社は社債発行から約2億9,250万ドルの純収入を得ています。

一方で、この積極的な投資戦略にもかかわらず、マラソン・デジタルの株価は年初来約34%下落しています。8月14日の取引終了時点では、同社の株価は2.26%下落して15.14ドルとなりました。これは、ビットコインのハービング(半減期)後のマイニング収益性の低下が背景にあります。ハービングによって1ブロックあたりのビットコイン報酬が減少し、マイニング業者にとっての収益性が低下。その結果、マラソン・デジタルのような大手マイニング企業でも、利益を確保することが困難になっている状況です。

特に、マラソン・デジタルは業界内でも高いマイニングコストを抱えており、ビットコイン価格の低迷とともにその負担が増加しています。8月上旬にマイニングの収益性を示すハッシュプライスが過去最低を記録したこともあり、同社の株価はさらに圧迫される結果となっています。

ただし、このような厳しい市場環境にもかかわらず、マラソン・デジタルが大規模なビットコイン購入を続けていることは、同社のビットコインの長期的な価値に対する強い信念を示しています。今後、マラソン・デジタルがこの戦略をどのように展開し、市場環境の変化にどう対応していくのか、引き続き注視していく必要があるでしょう。

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